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PC・スマホ 「iPhone 16」は何が変わった? 15からの変更点や無印とProとの違いをチェック!

アップルの「iPhone 16」シリーズが2024年9月20日に発売された。アップル独自のAI「Apple Intelligence」を利用できるのが目玉だが、日本語に対応するのは来年2025年以降の予定だ(年内に米国英語から提供開始する)。それでも大幅にパワーアップしたカメラ機能など見所は満載だ。

本記事では、「iPhone 16」と「iPhone 16 Pro Max」の実機を使って、「iPhone 15」シリーズから何が変わったのか、スタンダードモデルとプロモデルで何が違うのかを詳しくチェックしていきたい。

6.1インチの「iPhone 16」(左)と6.9インチの「iPhone 16 Pro Max」(右)。アップルストア価格は「iPhone 16」が124,800円(税込)から、「iPhone 16 Pro Max」が189,800円(税込)から。どちらも2024年9月20日発売

6.1インチの「iPhone 16」(左)と6.9インチの「iPhone 16 Pro Max」(右)。アップルストア価格は「iPhone 16」が124,800円(税込)から、「iPhone 16 Pro Max」が189,800円(税込)から。どちらも2024年9月20日発売

ラインアップ構成は4機種で「iPhone 15」シリーズと同じ

「iPhone 16」シリーズのラインアップ構成は、「iPhone 15」シリーズと同じ4機種。アップルストア価格は「iPhone 15」シリーズから変わっておらず、値上げの流れは一段落した。各モデルのストレージ容量も「iPhone 15」シリーズから変わっていない。

●iPhone 16シリーズのラインアップ
iPhone 16(スタンダードモデル)…、6.1インチ、128GB/256GB/512GB、124,800円から
iPhone 16 Plus(スタンダードモデルの大画面版)…6.7インチ、128GB/256GB/512GB、139,800円から
iPhone 16 Pro(プロモデル)…6.3インチ、128GB/256GB/512GB/1TB、159,800円から
iPhone 16 Pro Max(プロモデルの大画面版)…6.9インチ、256GB/512GB/1TB、189,800円から
(画面サイズ、ストレージ容量のラインアップ、税込みのアップルストア価格)

今回試したモデルは「iPhone 16」のホワイトモデル(左)と「iPhone 16 Pro Max」のデザートチタニウムモデル(右)

今回試したモデルは「iPhone 16」のホワイトモデル(左)と「iPhone 16 Pro Max」のデザートチタニウムモデル(右)

デザインはどう変わった? スタンダードモデルの背面カメラに注目!

スタンダードモデルの「iPhone 16/16 Plus」は背面カメラのレイアウトが変わった。2つのカメラが並び、すっきりした印象だ。ちなみに、「iPhone 15/15 Plus」では正方形の土台に2つのカメラが対角線上に並んでいた。カメラの配置が変わったのは、「Apple Vision Pro」用の空間写真と空間ビデオを撮影するためだ。

画面サイズは「iPhone 15/15 Plus」から変わっていない。本体サイズもほぼ同じ。重量は「iPhone 16」が1g、「iPhone 16 Plus」が2gほど、「iPhone 15/15 Plus」よりも軽くなった。カラーはブラック、ホワイト、ピンク、ティール、ウルトラマリンの5色を用意する。ピンク、ティール、ウルトラマリンの3色は鮮やかな色味で目を引く。「iPhone 12」以来のホワイトも人気が出そうだ。

「iPhone 16」は丈夫なアルミニウムボディ。前面は強度が50%アップした最新世代のCeramic Shield素材を採用する

「iPhone 16」は丈夫なアルミニウムボディ。前面は強度が50%アップした最新世代のCeramic Shield素材を採用する

今回試したのは、「iPhone 12」以来となるホワイト。清潔感のある白色で長く愛用できそうだ

今回試したのは、「iPhone 12」以来となるホワイト。清潔感のある白色で長く愛用できそうだ

一列に並んだ背面カメラ。「iPhone 15/15 Plus」にあった正方形の土台がなくなり、カメラ部分がかなりコンパクト化された

一列に並んだ背面カメラ。「iPhone 15/15 Plus」にあった正方形の土台がなくなり、カメラ部分がかなりコンパクト化された

いっぽうのプロモデルの「iPhone 16 Pro/16 Pro Max」はデザインに大きな変化はないが、チタニウムのバンド部分にマイクロブラスト加工を施すことで、ギラつき感のない見た目に仕上げている。新色のデザートチタニウムはマイクロブラスト加工の効果か、指紋が目立ちにくいのが好印象だ。

ディスプレイは、「iPhone 15 Pro/15 Pro Max」と比較して、「iPhone 16 Pro」が6.1インチから6.3インチに、「iPhone 16 Pro Max」が6.7インチから6.9インチに大画面化。ベゼル(額縁)はアップル製品の中で最も細いという。今回試した6.9インチの「iPhone 16 Pro Max」はかなりの大画面だが、片手でもホールドしやすく、何よりも画面が大きくて見やすい。「ProMotionテクノロジー」の効果でスクロールも滑らかだ。

プロモデルは画面の大型化により、本体はやや大きく重くなった。「iPhone 15 Pro/15 Pro Max」と比べると、「iPhone 16 Pro」は高さが3mm、幅が0.9mm、重量が12g増えた。「iPhone 16 Pro Max」は高さが3.1mm、幅が0.9mm、重量が6g増えている。

カラーはデザートチタニウム、ブラックチタニウム、ナチュラルチタニウム、ホワイトチタニウムの4色展開だ。

プロモデルのディスプレイは常時表示に対応し、常に時刻や通知を確認できる。最大120Hzのアダプティブリフレッシュレートを持つ「ProMotionテクノロジー」も搭載される

プロモデルのディスプレイは常時表示に対応し、常に時刻や通知を確認できる。最大120Hzのアダプティブリフレッシュレートを持つ「ProMotionテクノロジー」も搭載される

今回試したデザートチタニウムは「iPhone 15 Pro/15 Pro Max」にはなかったゴールド系。ゴールド系といっても、かなり落ち着いた色味だ

今回試したデザートチタニウムは「iPhone 15 Pro/15 Pro Max」にはなかったゴールド系。ゴールド系といっても、かなり落ち着いた色味だ

マイクロブラスト加工が施されたチタニウムのバンド部分。ぎらつきが抑えられており、上品な仕上がり。指紋が目立ちにくいのもいいところ

マイクロブラスト加工が施されたチタニウムのバンド部分。ぎらつきが抑えられており、上品な仕上がり。指紋が目立ちにくいのもいいところ

全機種に「アクションボタン」と「カメラコントロール」を搭載

機能面では2つのボタンに注目したい。

まず、「iPhone 15 Pro/15 Pro Max」で導入された「アクションボタン」が、「iPhone 16」シリーズ全モデルに搭載された。標準状態では、長押しで、消音モードにできるボタンだ。消音モード以外にも、モード、カメラ、フラッシュライト、ボイスメモ、ミュージックの認識、翻訳、拡大鏡、コントロール、ショートカット、アクセシビリティを割り当てられる。使いたい機能を割り当てておけば、素早くその機能を呼び出せる便利なボタンだ。

左側面のボリュームボタンの上に搭載される「アクションボタン」

左側面のボリュームボタンの上に搭載される「アクションボタン」

「アクションボタン」のデフォルトは消音モード(左)。カメラは写真だけでなく、セルフィー、ビデオ、ポートレート、ポートレートセルフィーが選べる(中央)。コントロールは計算機、ストップウォッチ、アラーム、タイマーなどが選択可能(右)

「アクションボタン」のデフォルトは消音モード(左)。カメラは写真だけでなく、セルフィー、ビデオ、ポートレート、ポートレートセルフィーが選べる(中央)。コントロールは計算機、ストップウォッチ、アラーム、タイマーなどが選択可能(右)

2つ目は、カメラを起動し、各種設定ができる「カメラコントロール」。表面はサファイアクリスタルでシャッターボタンとして使える。感圧センサーも組み込まれており、クリックやスライドなどの操作も可能。画面をタッチせずにさまざまな設定ができるので、写真撮影がますますはかどりそうだ。この「カメラコントロール」は、「iPhone 16」シリーズ全機種に搭載される。

プロモデルでは、「カメラコントロール」を半押ししてAFロックができる2段階シャッターがアップデートで追加される予定だ。

本体右側面に搭載される「カメラコントロール」。ボタンとしても動作するが、単なるボタンではなく、スライドやクリックなどさまざまな使い方ができる

本体右側面に搭載される「カメラコントロール」。ボタンとしても動作するが、単なるボタンではなく、スライドやクリックなどさまざまな使い方ができる

「カメラコントロール」を軽く押し込むと画面上にUIが表示される。スライドして機能を切り替えられる。「カメラコントロール」が本体中央寄りの場所に配置されているため、筆者の手では指が届きにくいのが気になった

「カメラコントロール」を軽く押し込むと画面上にUIが表示される。スライドして機能を切り替えられる。「カメラコントロール」が本体中央寄りの場所に配置されているため、筆者の手では指が届きにくいのが気になった

通信面では最新の通信規格であるWi-Fi 7をサポート。外部インターフェイスは「iPhone 15」シリーズと同じUSB Type-Cをサポートする。ただし、スタンダードモデルはUSB 2、プロモデルはUSB 3に対応と機能に差がある。映像出力はどちらも対応するが、データ転送速度に差があり、USB 2は最大480Mbps(規格上の最大値)に対して、USB 3は最大10Gbps。数枚の写真であれば大した差ではないが、大容量データを有線接続で転送する際には速度の差が出る。

カメラはスタンダードモデルが大きく進化、プロは動画撮影機能がパワーアップ

続いて、「iPhone 16」シリーズで大きくパワーアップしたカメラ機能を見ていこう。各モデルのカメラの主な仕様は以下のとおり。

●iPhone 16シリーズのカメラの仕様
iPhone 16…Fusion4800万画素・f1.6/超広角1200万画素・f2.2
iPhone 16 Plus…Fusion4800万画素・f1.6/超広角1200万画素・f2.2
iPhone 16 Pro…Fusion4800万画素・f1.78/超広角4800万画素・f2.2/望遠1200万画素・f2.8
iPhone 16 Pro Max…Fusion4800万画素・f1.78/超広角4800万画素・f2.2/望遠1200万画素f2.8

スタンダードモデルでは、超広角カメラのレンズが明るくなり、ピクセルも大型化。取り込める光が最大2.6倍にアップした。光学ズームオプションは0.5倍/1倍/2倍の3つで変わらないが、新たに2cmまで近づけるマクロ撮影に対応。マクロ撮影からテーブルフォト、ポートレート、風景まで、撮影できる幅が広がっている。

スタンダードモデルは2cmまでのマクロ撮影に対応。被写体に近づくと、自動でマクロモードに切り替わる。特別な設定変更は不要で、気軽にマクロ撮影を楽しめる。クオリティも高い

スタンダードモデルは2cmまでのマクロ撮影に対応。被写体に近づくと、自動でマクロモードに切り替わる。特別な設定変更は不要で、気軽にマクロ撮影を楽しめる。クオリティも高い

プロモデルは、「iPhone 15 Pro」では光学3倍だった望遠カメラが「iPhone 16 Pro」では光学5倍となり、「iPhone 16 Pro Max」との違いがなくなった。光学ズームオプションは0.5倍/1倍/2倍/5倍の4つ。もちろん、マクロ撮影にも対応しており、スタンダードモデルよりも広いレンジの撮影をカバーする。

プロモデルは動画撮影機能が強化された。「A18 Proチップ」の読み出しスピードアップにより、新たに4Kでの120fpsのスローモーションを撮影できるようになったのだ。

スローモーションで撮影しておけば、撮影後に再生速度を変更可能。スローモーションにするシーンも調整できる

スローモーションで撮影しておけば、撮影後に再生速度を変更可能。スローモーションにするシーンも調整できる

写真では「フォトグラフスタイル」にも注目したい。以前からあったフィルター機能だが、「フォトグラフスタイル」を選ぶと、その設定でずっと写真を撮ることになり、普段使いしにくかった。「iPhone 16」シリーズでは、前述の「カメラコントロール」で素早く設定できるようになり、使いやすくなっている。撮影後にほかの「フォトグラフスタイル」を適用したり、標準に戻したりすることも可能だ。

「フォトグラフスタイル」は標準を含めて15種類用意されている

「フォトグラフスタイル」は標準を含めて15種類用意されている

「フォトグラフスタイル」選択後にトーンとカラーを微調整することが可能。下の格子状の部分を上下左右に動かすだけの直感的な操作で調整できる

「フォトグラフスタイル」選択後にトーン、カラー、パレットを微調整することが可能。下の格子状の部分を上下左右に動かすだけの直感的な操作で調整できる

動画撮影に関しては、「オーディオミックス」が全機種で利用できる。風切り音などを低減し、人の声を聞き取りやすくできる機能だ。試してみたところ、その効果は絶大。話している人の声は残しつつ、風切り音など背景の音だけを小さくしてくれた。室内だとどうなるのか、複数人だとどうなるのか、音楽(歌)やペットではどうなるのかなど、いろいろ試したくなる機能と言える。

人が話している動画で効果を発揮する「オーディオミックス」。背景の風切り音などを低減し、人の声を聞き取りやすくしてくれる。フレーム内の人の声だけをとらえる「フレーム」、防音壁を備えたプロ仕様のスタジオ内で録音した音声のように仕上げる「スタジオ」、周囲の声をすべてとらえて、スクリーンの前方に集める「シネマティック」という3つモードを搭載

人が話している動画で効果を発揮する「オーディオミックス」。背景の風切り音などを低減し、人の声を聞き取りやすくしてくれる。フレーム内の人の声だけをとらえる「フレーム」、防音壁を備えたプロ仕様のスタジオ内で録音した音声のように仕上げる「スタジオ」、周囲の声をすべてとらえて、スクリーンの前方に集める「シネマティック」という3つモードを搭載

「Apple Intelligence」のための新チップを搭載

チップセットは、スタンダードモデルが「A18チップ」、プロモデルが「A18 Proチップ」。スタンダードモデルは「iPhone 15/15 Plus」が「A16チップ」だったので、実在はしないが「A17チップ」を飛ばした、二世代分のパワーアップと言える。「Apple Intelligence」に対応するための飛び級だろう。

処理速度は、「iPhone 15/15 Plus」の「A16 Bionic」と比較すると、「A18チップ」のCPUは最大30%高速で、30%少ない電力で同じ負荷の作業が実行できるという。GPUも最大40%速い。

「Apple Inteligence」に対応するiPhoneは、「iPhone 16」シリーズと「iPhone 15 Pro」、「iPhone 15 Pro Max」。文章や画像の生成や、テキストの要約などさまざまなAI機能が利用できる。バーチャルアシスタント「Siri」もパワーアップする(アップルのWebページより)

「Apple Inteligence」に対応するiPhoneは、「iPhone 16」シリーズと「iPhone 15 Pro」、「iPhone 15 Pro Max」。文章や画像の生成や、テキストの要約などさまざまなAI機能が利用できる。バーチャルアシスタント「Siri」もパワーアップする(アップルのWebページより)

「A18チップ」「A18 Proチップ」は電力効率にもすぐれているのに加え、「iPhone 16」シリーズではバッテリーが大きくなり、バッテリー駆動時間が長くなった。ビデオ再生時間を「iPhone 15」シリーズと比較すると、「iPhone 16」は2時間、「iPhone 16 Plus」は1時間、「iPhone 16 Pro/16 Pro Max」は4時間も長くなっている。

まとめ

一世代前の「iPhone 15」シリーズではスタンダードモデルとプロモデルの2ラインの棲み分け進んだが、最新の「iPhone 16」シリーズでは、スタンダードモデルが大幅に機能強化され、その差が縮んだ印象を受けた。「アクションボタン」や「カメラコントロール」など操作系が統一されているのも大きい。利用できるのは来年以降だが、「Apple Intelligence」にも対応している。

USB Type-CがUSB 2対応でデータ転送速度が最大480Mbpsなのは気になるが、それ以外に大きな欠点は見当たらない。スタンダードモデルの「iPhone 16/16 Plus」は、iPhoneを3年、4年と長い期間使いたい人にもおすすめできるモデルだ。

いっぽう、プロモデルは常時表示対応の「ProMotionディスプレイ」、パワフルな「A18 Proチップ」、トリプルカメラ、スタジオ品質の4つのマイクなど、プロモデルにふさわしいワンランク上の機能や性能が詰め込まれている。カメラを多用するクリエイターや、滑らかな操作を求めるゲーマーなど高性能なスマートフォンを求めるユーザーのニーズにしっかり応えてくれるはずだ。

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