ノートパソコンには必ず外部機器と接続するための端子(ポート)が搭載されており、「外部インターフェイス」と呼ばれており、ノートパソコンの使い勝手に大きく影響します。しかし、最近の外部インターフェイスは多種多様なため、自分に何が必要なのか非常にわかりにくくなっているのが現状です。
そこで、今回は最近のノートパソコンに搭載されている外部インターフェイスの種類と、それぞれの用途を解説。種類ごとに何ができるのかを理解し、自身の用途に合ったノートパソコンを選べるようになりましょう。
- おすすめはUSB×3とHDMI!
- データ転送系インターフェイスを詳しく知りたい
- 「USB Type-C」:給電や映像出力もできる最も重要なポート
- 「USB Type-A」:有線マウスなど以前の周辺機器が利用できるポート
- 映像出力系インターフェイスを詳しく知りたい
- 「HDMI」:汎用性が高く現在の主流!
- 「DisplayPort」:ゲーミングパソコンで一般的
- 「Thunderbolt」:データ転送も可能でWindows パソコンでも増加中
- その他のインターフェイスを詳しく知りたい
- 「ヘッドセット端子」:マイクとイヤホン一体の音声端子
- 「メモリーカード用スロット」:あると意外に便利
- 「LANポート」:ノートパソコンにもたまに付いているデータ転送用ポート
おすすめはUSB×3とHDMI!
ノートパソコンの外部インターフェイスには、何が必要なのでしょうか。オフィスワークなど一般的な用途に用いる場合、以下のような構成になります。ちなみに2024年9月11日時点の価格.com「ノートパソコン 満足度ランキング:拡張性の満足度ランキング」上位10製品(CPU違いの重複、ポータブルゲーミング機は除く)を見ても、ほぼこちらと同様の構成か、ゲーミングなど用途に合わせて必要なものを追加した構成になっています。
1.データ転送系
・USB Type-C:2ポート以上
・USB Type-A:1ポート以上
※Type-CとType-Aの数は逆も可だが合計3つは欲しい
2.映像転送系
・HDMI:1ポート
3.そのほか
・音声端子:ヘッドセット端子
・メモリーカード用スロット:SDカードスロット
・専用電源ポート:1ポート
ゲーミングを除く一般的な用途に使うパソコンを探すのであれば、まずこれらがあるかチェックするといいでしょう。
データ転送系インターフェイスを詳しく知りたい
ここからは、よく搭載されている外部インターフェイスから主にデータ転送用として使われるものをピックアップして解説。その中でも中心となるUSBに関して現状を簡単にまとめておきます。
USBの規格と転送速度
USBポートは元々周辺機器やパソコンアクセサリーを接続して、データや信号のやり取りを行うためのインターフェイスです。最近のノートパソコンに主に搭載されているポート形状は、最新の「USB Type-C」と普及率の高い「USB Type-A」の2種類です。
また、形状の違い以外にも「USB 2.0」や「USB 3.0」、「USB4」といった転送速度の規格が存在します。基本的には「数字が大きいほうが転送速度が速い」という認識で大丈夫ですが、途中から後ろに「Gen1」や「x2」が付いて混乱を招く原因になっています。
このため、最近では「USB 5Gbps」「USB
10Gbps」といった転送速度を明記したロゴが登場しています。当然ながら、転送速度が速いほうが優秀なので、同じ構成の2製品で迷った際などは、転送速度の規格にも注目してみるといいでしょう。
乱立するUSB規格ですが、転送速度で分けると上記のとおり。()でくくってあるのは同じものです。肝心の速度ですが、USB 2.0は480Mbpsとケタ違いに遅いです。USB 3.0以降を簡単にまとめると「3.0とGen 1は5Gbps」「Gen 2は倍の10Gbps」「x2が付くとさらに倍の20Gbps」という区分です
ちなみに、形状は最新の「USB Type-C」だけれど、規格は最新のUSB4ではない……なんてこともありえます。USB規格に関しては別の記事でも解説しているので、気になる方は確認してみてください。
「USB Type-C」:給電や映像出力もできる最も重要なポート
上に記載した外部インターフェイスのうち、特に重要視すべきなのが「USB Type-C」ポートとその機能です。
「USB Type-C」は従来の「USB Type-A」から形状が変わったものですが、それにともない転送速度も高速化。さらに、データ転送以外に、本体の急速充電やモバイル機器への給電、パソコン画面の映像出力にも対応可能です。そのため「USB Type-C」ポートの機能次第でパソコンの運用が大きく変わります。
たとえば、充電が可能であれば外出時にモバイルバッテリーから給電できるため、アダプターを携帯する必要がなくなります。また、泊まりで外出する際にもスマホの充電器などと共用できるため、荷物が減らせます。
さらに、急速充電規格の「USB Power Delivery(PD)」に対応している場合は、対応スマホなどを素早く充電可能。また、映像出力に対応していた場合、外部ディスプレイを接続できるため作業効率の向上につながります。
このように日頃の運用にかなり影響があるため、現状では最も重要度が高い外部インターフェイスといえるでしょう。
ポート数としては、少なくとも2ポートはほしいところです。最近では専用の電源ポートを搭載していない製品も増えており、この場合は「USB Type-C」ポートで給電する必要があります。つまり、1ポートはほぼ電源に占有されてしまいます。電源以外に使えるポートを確保するため、少なくとも2ポートがおすすめです。
ちなみに、転送規格はUSB 2.0で速度は480MbpsなんてType-Cポートも存在します。このため、転送速度をしっかり確認することが重要です。
画像提供元 ASUS JAPAN株式会社 ASUS Zenbook 14 OLED UX3405MA(https://www.asus.com/jp/laptops/for-home/zenbook/asus-zenbook-14-oled-ux3405/)写真の「USB Type-C」ポートは「Thunderbolt」も兼ねているため、マークが併記されています
「USB Type-A」:有線マウスなど以前の周辺機器が利用できるポート
「USB T3pe-A」は、長年パソコンのインターフェイスとして使われてきました。現在、周辺機器やパソコンアクセサリーも「USB Type-C」への移行が進んでいますが、普及率ではまだ「USB Type-A」のほうが上です。
マウスやUSBメモリー、外付けHDDなど、以前から使い続けている周辺機器がある場合は、少なくとも1ポートは必須です。機器が多い人は2ポートあると快適でしょう。注意すべきは先ほども触れた転送規格ですが、周辺機器と大容量のデータをやり取りするなら、できるだけ高速規格を選びましょう。
「USB Type-A」ポートからもスマホや周辺機器への給電は可能ですが、USB PDほどの給電能力はなく、充電には時間がかかります。一部、「Quick
Charge(QC)」などの高速充電対応ポートもありますが、機器側が対応している場合以外は気にする必要はありません。
画像提供元 ASUS JAPAN株式会社 ASUS Zenbook 14 OLED UX3405MA(https://www.asus.com/jp/laptops/for-home/zenbook/asus-zenbook-14-oled-ux3405/)以前から広く利用されている「USB Type-A」ポートは四角い形状で、基本的に挿せる向きが決まっています。「USB Type-A」ポートの横に「5Gbps」とあるのは転送速度です。なお、コネクター内部のプラスチック部分が黒だとUSB 2.0、青だとUSB 3.0以上になります
映像出力系インターフェイスを詳しく知りたい
映像出力用のインターフェイスが搭載されていれば、ノートパソコンに外部ディスプレイを接続して大画面での作業が可能です。外出時にはノートパソコンとして使い、自宅に帰ったらディスプレイやマウス、キーボードをつないでデスクトップパソコンのように使うといったスタイルが可能です。
映像出力用のポートにもいくつか種類がありますが、一般的なのは「HDMI」「DisplayPort」「Thunderbolt」の3種類。ポートの種類や規格のバージョンによって、表示できる解像度やリフレッシュレート、伝送速度が違います。ディスプレイをつなぎたい場合は、しっかり仕様を確認しておきましょう。
「HDMI」:汎用性が高く現在の主流!
映像出力用インターフェイスとして、最も手軽で普及しているのが「HDMI」。映像と音声を1本のケーブルで出力可能で、薄型テレビやレコーダー、家庭用ゲーム機でも広く使用されています。
「HDMI」にも規格のバージョンがあります。USB同様に数字が大きいほど高性能で、最新バージョンは「HDMI 2.1」。なお、ケーブルにも対応バージョンが存在します。
画像提供元 ASUS JAPAN株式会社 ASUS Zenbook 14 OLED
UX3405MA(https://www.asus.com/jp/laptops/for-home/zenbook/asus-zenbook-14-oled-ux3405/)
台形のような形状が特徴的なのが「HDMI」ポートです
「DisplayPort」:ゲーミングパソコンで一般的
「DisplayPort」は「HDMI」より高性能な映像出力インターフェイス。「ディスプレイケーブル」と呼ばれる専用ケーブルで接続し、最新バージョンは「DisplayPort 2.1」。ノートパソコンには小型の「miniDisplayPort」が主に搭載されています。
高い伝送能力が最大の特徴で、主に高リフレッシュレートの映像を表示するゲーミングモニターでよく使われています。もし、ゲーミングモニターを接続するなら、miniDisplayPortを搭載したノートパソコンを選ぶのがいいでしょう。ただし、規格によっては音声を同時出力できないこともあります。なお「HDMI」同様、ケーブルにも対応バージョンが存在します。
また、最近では「DisplayPort Alt Mode」対応の「USB Type-C」ポートを搭載したノートパソコンもあり、この場合は「USB Type-C」形状のケーブルでDisplayPort接続が可能です。
画像提供元 株式会社マウスコンピューター NEXTGEAR J6-A7G60GN-A(https://www.mouse-jp.co.jp/store/kk/g/gngear-j6a7g60gnadcw102deckk/?adid=af_afot_36997&utm_source=valuecommerce&utm_medium=affiliate&utm_campaign=36997)画像は「miniDisplayPort」
「Thunderbolt」:データ転送も可能でWindows パソコンでも増加中
「Thunderbolt」はインテルが開発したインターフェイスで、アップル製品に搭載して市場投入されましたが、最近ではWindows パソコンにも普及しつつあります。映像出力だけでなく高速なデータ通信も可能で、転送速度は最大40Gbps。また、USB PDにも対応しており給電が可能です。
「Thunderbolt」にもバージョンがあり、最新は「Thunderbolt 4」(「Thunderbolt 5」もプレビュー公開済み)。8Kでの映像出力や4K2台の同時映像出力が可能です。映像出力用インターフェイスとしては最も高性能ですが、そのぶん搭載パソコンも高価になります。
形状は「USB Type-C」とまったく一緒で、USB4とも完全互換しています。ただし、すべての「USB Type-C」ポートが「Thunderbolt」対応というわけではない点に注意しましょう。
画像提供元 ASUS JAPAN株式会社 ASUS Zenbook 14 OLED UX3405MA(https://www.asus.com/jp/laptops/for-home/zenbook/asus-zenbook-14-oled-ux3405/)稲妻のようなマークが「Thunderbolt」のものです
その他のインターフェイスを詳しく知りたい
「ヘッドセット端子」:マイクとイヤホン一体の音声端子
イヤホン端子とマイク端子を兼用した「ヘッドセット端子」の場合、端子のすぐ横にヘッドセットのアイコンが付いています。ただし、最近はBluetoothヘッドセットなどの利用も広がっているためか搭載しないケースも増えています。
画像提供元 ASUS JAPAN株式会社 ASUS Zenbook 14 OLED UX3405MA(https://www.asus.com/jp/laptops/for-home/zenbook/asus-zenbook-14-oled-ux3405/)オンライン会議などの際に便利なヘッドセット端子
「メモリーカード用スロット」:あると意外に便利
メモリーカード用スロットの有無は製品ごとにまちまちですが、一般的なのは「SDカードスロット」です。最近では「microSDカードスロット」を採用した製品もあります。
SDカードスロットがあれば、デジカメなどのカメラで撮影した写真を手軽に移行できます。アダプターを利用すればmicroSDカードも利用できるので、microSDカードスロットを搭載したパソコンより、SDカードスロットを搭載したパソコンのほうが便利です。
画像提供元 株式会社マウスコンピューター NEXTGEAR J6-A7G60GN-A(https://www.mouse-jp.co.jp/store/kk/g/gngear-j6a7g60gnadcw102deckk/?adid=af_afot_36997&utm_source=valuecommerce&utm_medium=affiliate&utm_campaign=36997)SDカードから直接データを取り込めるため、ちょっとしたデータのやり取りにも便利
「LANポート」:ノートパソコンにもたまに付いているデータ転送用ポート
主にビジネス向けのパソコンにはWi-Fiとは別に、「LANポート」が搭載されていることがあります。LANポートがあれば、会社や自宅などの有線LANが使える環境で安定した有線インターネット通信が可能です。
画像提供元 株式会社マウスコンピューター NEXTGEAR J6-A7G60GN-A(https://www.mouse-jp.co.jp/store/kk/g/gngear-j6a7g60gnadcw102deckk/?adid=af_afot_36997&utm_source=valuecommerce&utm_medium=affiliate&utm_campaign=36997)ゲーミングノートパソコンなどの場合、側面ではなく背面に位置することもあります
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