スポーツ系ライターとしてシューズやロードバイクなど、さまざまなギアをテストしてきた筆者。目下テストする機会が多いのがスマートウォッチで、両手につけてテストを繰り返す日々を過ごしています。そんな"スマートウォッチ漬け"の筆者が触れてきた数多の製品から、現在惚れ込んでメイン機として使っている、お気に入りの1台をご紹介します。
数多のスマートウォッチから選ばれたこだわりの1本とは?
生涯のベストタイムをスマートウォッチとともに叩き出す
ランニングやロードバイク、トライアスロンを趣味にしてから15年。今年で50歳を迎えるなか、フルマラソンの生涯ベストタイム“3時間30分切り”を叩き出すべく、猛暑でも走る毎日を送っています。そんな練習の日々やレースの助けとして手放せないのがスマートウォッチです。
今までポラール、ガーミン、スント、ファーウェイ、シャオミと、さまざまなモデルを使ってきましたが、メーカーに限らずどんどんと進化、多機能で高性能なモデルがたくさん登場しています。そんななか、筆者が惚れ込んで、現在愛用しているのが「Amazfit Balance」です。1.5インチの大きな有機ELディスプレイによる高い視認性と、充実した健康管理機能。さらに、スポーツをするときだけでなく、仕事中、日常生活など、どんな場面にもマッチするシンプルなデザインが、このモデルを選んだポイントです。
Zepp Health「Amazfit Balance」、価格.com最安価格32,021円(税込。2024年9月5日時点)、2023年10月24日発売
現在スマートウォッチは、睡眠や心拍数などの健康管理機能の充実、GPS搭載はもはや当たり前。基本機能での差別化が難しくなっています。そこで、さらなる"違い"を産み出すために、メーカーそれぞれが個性的な機能を開発しています。実はその“個性”の多くがスポーツ向けの機能であり、筆者のように運動能力の向上を目的に使う人にとって、かなりうれしい状況と言えます。
スマートウォッチは日々のランニングに欠かせないアイテム
私の愛用する「Amazfit Balance」にも、個性的な機能が多数搭載されており、なかでも気に入っている個性は、下の4つです。
1.GPSの精度、捕捉スピードの速さ
2.画面表示のカスタム性
3.回復具合の確認ができる「レディネス」
4.ひんぱんなアップデートによる進化
ここからは80機種以上のスマートウォッチをテストしてきた筆者が、なぜこの「Amazfit Balance」を選んだのか、上のポイントを絡めつつ紹介していきます。
普段は、サードパーティー製のベルトに付け替えて使用しています
これ重要! GPSの正確さ、捕捉スピードの速さ
スマートウォッチを選ぶ際に重要視しているのが、GPSの精度です。レースはもちろん、普段のトレーニングでも走るペースの管理はとても大切。筆者のような市民ランナーレベルだと、自分ではゆっくり走っていると思っていても、実際は速いペースで走っていた、ということもしばしば起こります。そんな状況を防ぐために、GPSを使った正確なペース管理は必須なのです。
「Amazfit Balance」には、「Amazfit」シリーズ独自の技術である「円偏波GPSアンテナ」というトガッた位置情報システムが搭載されており、山間部やビル群の間を走っても確実に位置を捕捉し、走った距離やペースを正確に記録してくれるんです。
スマートウォッチで記録したルートやペースは、スマホアプリ「Zepp」でも確認可能
GPSの捕捉スピードの速さも気に入っているポイントです。この捕捉スピードとは、ランニングやサイクリングなど、GPSを作動させたときに自分の位置を捕捉するまでの時間のこと。「Amazfit Balance」に搭載されているGPSがすぐに反応し、スポーツモードを起動して10秒ほどで現在位置を素早く捕捉してくれます。捕捉が遅いモデルだと1分近く待ち時間が発生することもありストレスですが、このモデルはとても快適です。
玄関を出る前にGPSが起動することもあるほど、捕捉のスピードが速い
数値が見やすいように画面のカスタムが可能
走行中の見やすさも気に入っているポイントです。大画面で明るいディスプレイを搭載していることも重要ですが、それ以上に、スポーツモードを起動したとき、確認したい数値が“確認したい場所に配置できる”、というカスタマイズ性が見やすさの要因になっています。
大画面の有機ELディスプレイなので、陽の当たる屋外でも見やすい
スイム時は距離と心拍数の表示だけ、ランニング時は心拍数を中心に、ペース、走行距離、時間を表示させるのが、筆者の好みです。どこに何の数値を配置したいかを自分で決められるので、運動中パッと見たときにでも確認しやすくなっています。さらにこのカスタマイズが、運動中にもできるのがすぐれているポイントです。運動中に「ちょっと見にくいな」と感じたら、すぐに変更可能。細かいところですが、ほかのスマートウォッチでは見かけない機能です。
スイム(左)とラン(右)の画面。配置場所のほか、表示項目数もカスタマイズできます
身体と精神の回復具合が確認できる「レディネス」
3つ目のポイントは、自分のコンディションが数値として確認できる「レディネス」機能です。トレーニングなどで身体を動かすことでスコアが下がり、しっかりと休息をとることでスコアが上昇、身体の回復具合が可視化されます。
休息の大切さを再確認させてくれる「レディネス」
睡眠時間や睡眠の質によって、「レディネス」の回復具合は変化。さらに、身体だけでなく、精神面も数値化して評価してくれるのです。筆者の場合、毎朝、この数値をチェックして「今日はたくさん走ろう」とか「休みにしよう」など、トレーニング量を調整しています。「レディネス」はメンタルトレーナー、この後に紹介する「コーチ機能」がフィジカルトレーナーという感じで、静と動の両面からサポートしてくれているなぁ、と日々感じています。すごくありがたいんです。
身体と精神を分割し、それぞれがどう回復しているかを表示
その日の過ごし方もアドバイスしてくれます
アップデートでスマートウォッチが進化
4つ目のお気に入りポイントは、購入後もアップデートによって、さまざまな機能が追加される点です。新製品には新しい機能が搭載され、既存のモデルにはその機能が反映されない、ということは多いです。しかし、「Amazfit」の傾向として、発売済みのスマートウォッチにも、アップデートによる新機能が搭載されることが珍しくありません(もちろんモデルによる差はありますが)。
今なお定期的に行われるアップデートで機能がどんどん追加されている
たとえば、筆者がよく使うトレーニングプランを提案してくれる「コーチ機能」ですが、この機能は、元々ほかのモデルに搭載されていた機能で、アップデートにより「Amazfit Balance」にも追加されました。調子に乗って走りすぎてしまったり、逆に自分に甘いメニューを続けてしまったりと、自分でプランを作ってトレーニングしていくのは意外と大変です。その点「コーチ機能」は、月間の走行距離や普段のペースなどを入力していくことで、キツすぎず、ラクすぎない、続けられる程度の絶妙なレベル感のプランを提案してくれます。“生涯のベストタイム”に向けて、トレーニング効果が高まっているのを実感しています。
スマホアプリ「Zepp」で、質問に答えていくと、自分にピッタリのメニューが作成される「コーチ機能」
また、最近アップデートで追加された注目の機能が、大規模言語モデルの生成AI「GPT-4o(オムニ)」を使って、声でスマートウォッチの操作ができる「Zepp Flow」です。これにより、「屋外ランニング開始!」や「画面を明るく」など、音声による操作が可能になりました。通常、ランニングを開始する場合は、内蔵のスポーツモードのアプリを開いて、それから屋外のランニングを選んで・・・という操作が必要ですが、これを使えば、一発でランニングモードの画面を開いてくれます。
アップデートにより「Zepp Flow」アプリのインストールが可能に
アプリ「Zepp Flow」を立ち上げ、「屋外ランニングスタート」と呼びかけます。待つこと約7、8秒で、ランニングモードが起動しました
「Zepp Flow」はスマートウォッチの操作以外に、簡単な翻訳も可能。現在はできることが限られていますが、大規模言語モデルなので、できることがどんどん増えていくと思います。
「コーチ機能」「Zepp Flow」、どちらの機能もいつの間にか使えるようになった、という印象ですが、最新の機能が、手持ちのスマートウォッチで使えるようになることは、お得感がありますし、同じスマートウォッチを使い続けたくなる気持ちにさせられます。
まだまだ魅力はたくさんある「Amazfit Balance」
ここまで、気に入っている機能をピックアップしてきましたが、「睡眠トラッカー」や活動量(歩数)、体組成計など日常的に愛用している機能がまだまだあります。マップをダウンロードして、オフラインでも使える機能なども、山歩きをする人にとって、かなり重宝するよい機能だと思います。使いきれないほどの機能が搭載されていながら、現在のメーカー販売価格は34,900円(税込)と、発売直後から7000円も安くなったお買い得なモデルです。ガチなスポーツにも、普段使いとしても幅広く使えるスマートウォッチだと思いますよ。
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